こころの深呼吸
「こうあるべき」を、脱ぎ捨てよう
2026.07.15
薄着の季節、鏡の前でちょっと気になるからだのライン。
「すっきり見せたい。 でも、苦しいのはイヤ」
……それって、わがままでしょうか?
いえいえ。下着づくりの現場では、その“どっちもほしい”に大まじめに向き合っているようです。
「自分たちがおすすめしたいものをつくる!」と情熱を燃やす下着づくりのプロ、メーカーの野島さん・中林さんと、flufeel の商品企画担当者ホリミオによる座談会。
私たちの毎日にやさしく寄り添う下着は、どうやって生まれるのか。その裏側をのぞいてみました。


野島 麻記子 さん
下着の店頭販売に始まり、業界歴約30年。自身の「ココロとカラダの変化」に向き合いながら、女性たちを笑顔にするやさしいモノづくりを目指して日々奮闘中。
中林 真帆 さん
下着メーカー歴約20年、3児の母。仕事と子育ての波を全力で走り抜けながら、お客さまのリアルな声とモノづくりをつないでいる。
flufeel商品企画担当:
下着って、朝つけた瞬間だけじゃなく、夕方まで心地よく過ごせることが大事ですよね。
「早く家に帰ってブラを外したい!」って無意識のストレスになっている女性は本当に多いと思います。 一日中ラクな下着って、何が違うんでしょう?
野島さん:
ラクに感じる下着にはちゃんと理由があるんです。わかりやすい例えが、買い物帰りのレジ袋です。
たくさん買い物をしてレジ袋を持つと、手に食い込んで痛い。でも、持ち手の幅が広いエコバッグだと、同じ重さでもラクに感じますよね。下着もそれと同じで、肩ひもだけ、アンダーだけ、カップだけで支えるのではなく、全体で受け止めるように私たちは考えています。
flufeel 商品企画担当:
一部だけがんばると、そこが痛くなりますもんね。みんなで分担するんですね。
野島さん:
そうなんです。私たちは補整下着が得意なメーカーだからこそ、下着のストレスを感じさせたくなくて。からだ全体でやさしく受け止める設計を目指しているんです。
flufeel 商品企画担当:
前に製作の現場を見せていただいたとき、トレーシングペーパーで下着の立体模型を作っていたのがかなり衝撃的でした!
野島さん:
あれですね(笑)。
flufeel 商品企画担当:
職人さんが、薄〜い紙で作った下着の模型を自立させては、「これはちょっと倒れるな」とか「ここが前に傾くな」とか、少しずつ切ったり詰めたりされていて。
正直、最初は「???」ってなりました。
中林さん:
初めて見ると、そうなりますよね(笑)。紙は生地と違って伸びないので、「ここ、ちょっと苦しそうだな」という部分が見えやすいんです。生地だとなじんで見えにくいところも、紙だと見えてくるんです。あと、自立するかどうかというところも大事にしています。
flufeel 商品企画担当:
着けてからの違和感を、紙の段階で見つけてるんですね。しかも職人さんの手作業で。あれは AI にはまねできない職人技ですよね。
野島さん:
本当に。ものすごくアナログでだれでもできることではないんですけど、着心地の生命線になる大事な工程なんです。


flufeel 商品企画担当:
サンプルを上げていただいたら、フェリシモ社内でいろいろなサイズの人にフィッティングをお願いしてるんです。「ここがきつい」「ここが浮く」って、リアルな声を集めたくて。
中林さん:
同じサンプルをこちらの社内でも、できるだけ多くの社員に着けてもらってるんですよ。体型も感じ方もそれぞれなので、みんなのちょうどいいを探していく感じです。
flufeel 商品企画担当:
そこから「じゃあストラップを少し詰めよう」「アンダーの当たりを変えよう」と、ミリ単位で調整してくださるのが毎回すごいなと。最初は「たった数ミリでそんなに変わる?」と思ったんですけど、着けると本当に違うからびっくりします。
野島さん:
変わるんですよー。ミリ単位で調整を重ねて、からだにちゃんと沿う形まで持っていくと、完成したブラはホックを外してもぴたっとフィットして落ちませんからね。
flufeel 商品企画担当:
ホックを外しても落ちないって!そこまでからだに沿わせられるって、まさに技術ですよね。着け心地って、感覚だけじゃなくて、ちゃんと作り込まれているんだなと感じます。
flufeel 商品企画担当:
毎回すごいなと思うのが、私たちが「これでいきましょう!」と OK を出しても、さらに直してくださるところです。
野島さん:
頼まれてもないのにね(笑)。
flufeel 商品企画担当:
そうなんです(笑)。「ここが気になったので変えました」とか、「このラインが美しくないんです」とか。こっちはもう進める気でいるのに、さらによくなって返ってくる。
中林さん:
着け心地や機能はもちろん大前提です。そのうえで、鏡で見たときに「これ、いいな」と思えるかが大事なんです。カーブの角度や縫製のラインで本当にきれいに見えますからね。
野島さん:
そうそう。気になるところを残したまま「これ、いいですよ」とは言いたくないんです。自分でもお金を出して買いたいと思えるものでないと!せっかく身に着けてもらうなら、しあわせホルモンがでるくらい、気持ちが上がってほしいじゃないですか。
flufeel 商品企画担当:
妥協しなさすぎです(笑)。
野島さん:
妥協できないんです〜。気づいちゃったら最後、直さずにはいられないんです。
flufeel 商品企画担当:
お話を聞いていると、御社には探究心のすごい方が多いですよね。
野島さん:
いい意味でオタクだらけです(笑)。みんな本当に下着愛が強い。
中林さん:
そういう野島さんも 24 時間、下着のことを考えてますよね!実は私も下着が大好きで入社したんですけど、自分たちが手がける商品を着けたときに「こんなに違うんだ」と感動したのを覚えています。
flufeel 商品企画担当:
話せば話すほど、「一枚の中でそこまでやるんですか!」の連続ですね。紙の模型も、ミリ単位の調整も縫製も、頼まれていない修正も(笑)。
でも、そこまで見てくださるからこそ、私たちも安心してお客さまに届けられる。見えないところに詰まった工夫まで、ちゃんと伝えていきたくなります。
<後編>へ続きます。

野島 麻記子さん
下着業界で店頭販売、教育、商品企画MD、OEM営業に携わり約30年の経験。現在は京都の補整下着メーカーにてOEM営業や中国工場と直接交渉をし、モノづくりをしています。多くのお客さまと一緒に考え、世の中に少しでも役に立つような商品を開発できたらと考えて日々奮闘中。最近は自身のココロとカラダが変化し目まぐるしいですが、そんな自分と向き合いながらお客さまが笑顔になれるモノづくりをしていきたいと思っています。

中林 真帆さん
3児の母。京都の補整下着メーカーにて約20年にわたり、インナーウェアの商品企画・営業に携わる。営業企画室では商品企画や撮影、中国向けブランドやEC事業のMD業務を経験し、現在は営業グループに所属。仕事と子育ての両立に日々奮闘しながら、お客さまの声とモノづくりをつなぐ役割を担っている。
「仕事と子育ての両立というより、その両方に向き合いながら毎日を走り続けている感覚です」が最近の実感。
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